別れてから何年たつだろう。もう数えることはない。焼けぼっくいに火がつくこともない、そう確信があるからこそ今この部屋に二人きりでいる。今日はもっとゆっくり話したい。同じ思いと「うちで食べる?」と口にした。気取ることのない料理がいい。簡単なのがいい。出汁でさっと煮るだけのロール白菜。面倒な餡は作らず、巻き込むのは生ハム。ほどよい塩気が白菜の甘味と重なる。近況の充実と不安を少しずつ吐露し合うのを励ますような、おだやかな味。超えてきた二人だから持てる時間がある。
作り方
① 縦割り1/4カットの白菜を半干しに。しんなりした葉(できうるだけ外側)を、1枚ずつ使う分だけ切り離す。
② 白い芯の部分は薄くなるよう少し削ぎ取り、削ぎ取った部分は中に巻きこめるよう千切りにしておく。
③ 葉の内側を上にして広げ、芯の部分に生ハムと②の千切り白菜をおき、手前からくるくるしっかり巻いていく。巻き終わったら左右の葉をロールのくぼみに押し込むようにしてまとめる。
④ 鍋に③の巻き終わりを下にして並べ入れ、だし汁を白菜がかぶる程度まで注ぎ、本みりんを少し(だし汁300CCに対し本みりん小さじ1程度)加える。
⑤ 鍋に蓋をして(ほんの少しずらし)中弱火で10分程度煮込む。
※白菜を半干しにすることで甘味がまし、茹でなくても柔らかくそのまま巻けます。白菜は新鮮なうちに干してから冷蔵保存すると、かなり日保ちします。干さない場合は、ロールキャベツの作り方同様、さっと茹でて柔らかくしてお使いください。
※おいしい出汁で作るのがポイント。好みで煮汁に醤油を少しくわえても。
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