平日のぶらり~美術展

 会社組織をはなれ、時間の使い方がとてつもなく変わった。なかでも平日の昼間、という動きやすさを手にいれたことは大きい。銀行、病院、携帯電話ショップ・・・いままでやりくりが大変だった用事を済ませやすくなったのはありがたい。美容院や映画館など、週末は混みがちなものも助かっている。

 この混みがちを避けられる点で、とりわけ嬉しいのが美術展・展覧会である。コロナ禍という事情も重なって「時間予約制」の企画も多く、「入場するまでの行列」「作品の前の人だかり渋滞」という、げんなり要素がない。おかげで、2021年は、たくさん巡ることができ、たくさん心をゆさぶってもらった。半券を残すタイプではなく、スマホの記録と自身の記憶をたどるかぎりだが、たぶん2021年に以下を訪れた。

■向田邦子 没後40年特別イベント 「いま、風が吹いている」@スパイラル

■佐藤可士和展@国立新美術館

■石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか@東京都現代美術館

■のれんときもの@芹沢銈介美術館

■STORIES 作品について学芸員が知っていること@静岡県立美術館

■国宝 鳥獣戯画のすべて@東京国立博物館

■GENKYO横尾忠則@東京都現代美術館

■神秘と象徴の中間:草間彌生のモノクローム@草間彌生美術館

■松田正平 素描展@フォルム画廊

■バンクシーって誰?展@寺田倉庫

■フランソワ・ポンポン展@名古屋市美術館

■ゴッホ展 響きあう魂ヘレーネとフィンセント@東京都美術館

■学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重@すみだ北斎美術館

■片桐仁創作大百科展@ギャラリーアーモ

■谷崎潤一郎をめぐる人々と着物@弥生美術館

■30のキーワードでひもとく竹久夢二展@竹久夢二美術館

■民藝の100年@東京国立近代美術館

 こうして羅列してみると「あの一画にさしかかった時の畏敬感」とか「一枚の吸引力」とか「圧倒してくる芸術家のエネルギー」とか「遠い昔にそこにあったであろう魂」とか「いつまでも浴びていたい波長」とか、いろいろ思い出される。どの企画も、出かけてよかったと思う。ああ、その都度もっと、感じたことを言葉にちゃんとしておけばよかったぁ。

 そんなわけで2022年は、ぶらり後の反芻をもう少ししてみようと思う。なぜそうしたいかも問いながら。

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