週末ファーマー

 さまざまな食活動をされている「たべるの」さんが主宰する「たべるの菜園」に2009年から参加している。その前から、ベランダのプランターで野菜やハーブをちょこちょこ作ったり、ひと様の畑で時々遊ばせてもらったりしていたのだが、そんな話をしていたご縁で、たべるの菜園が活動を始めるにあたり誘っていただいた。週末活動を基本に、気づけば12 年。初期メンバーで残っているのは、主宰者以外は私だけである。モノ好きが証明された。

 遠いし、汚れるし、虫はいるし、暑いし、寒いし、うまく育つとは限らないし、とれた野菜だって始末は面倒だし・・・趣味とはいえ、続く人は少ない。いちど体験してみたかったという人も多く、それぞれの生活事情もあるだろうから、仕方ない。

 私が続けているのは「汚れても、虫がいても、面倒でも」を超えるものが畑にあるからだ。むしろ汚れたり虫がいたり面倒だったりすることにも価値がある。土を耕し畝を立てるときの手ごたえ、種をまくときの祈りにも似た想い、苗を植え付けるときの始まり感、数日間でおどろくほど育つ野菜への驚き、畑をやってないと食べられない間引き菜の柔らかさ、収穫物を携え帰路につく充実感、収穫物で作る料理の楽しさ美味しさ、季節が巡っていく実感・・・一瞬一瞬を言葉にすればキリがないが、これらのすべてに学びと喜びがあり、時に心身を助けられてきたように思う。

 たったいまも。出口の見えないパンデミック下、畑活動は、修行であり、癒しの時間だ。12年ぐらいじゃわかるはずもない、真理がいつも待っている。おおいなる趣味、道楽だ。

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